APL News 2006年1月号

 

1.先月号執筆の際、11月発表のAPL2最新版−Ver2.7のダウンロード、検証が間に合いませんでしたので、ニュースから外しました。Ver.2,6が5月に発表されましたから、Ver2.4から続けて6カ月おきに改定されていることは、APL2に対する各方面の期待が非常に高いことを証明するものであると思われます。APL2Ver2の品質は現在非常に安定していますから、改定の目的は新機能の追加が中心となっています。特にWindows版においては、Microsoft COMとのインターフェースの強化が図られていて、APL2 User‘s Guide(SC18−7021−06)には、Ver2.6のExcelおよびWordに加え、今回Internet ExplororおよびMicrosoft Agentとのインターフェースを利用したAPLのサンプル・プログラムが追加されました。

 

Microsoft Agentのサンプル・プログラム(DEMO_MERLIN)は“Merlin”というアニメーションのキャラクターがデスクトップ画面上に現れ“Hello from the APL Products and Services group at IBM”と言葉を発します。APLサンプル・プログラム中のこのフレーズを任意の文章に書き換えると、それを言葉にしてしゃべります。ローマ字を使用すれば、日本語で理解できる言葉にもなります。Agentには日本語をそのまま使用できるはずですが、APL2におけるImplementationで現在それが可能かは不明です。

 

“Merlin”以外に“Genie”、“Peedy”、“Robby”などのアニメ・キャラクターを用いることもでき、ドライな業務プログラムにユーモアの色づけをすることができます。しかし現段階では、それを実用的に使用するには正確な情報が不足しています。

 

このキャラクターはクリックすると画面上から消えてなくなります。実はこのサンプル・プログラムの真の目的は、COMのインターフェースにおけるイベント(この場合マウス・クリック)の処理のメカニズムを解説しているのです。すなわち、COMインターフェースによりAPLから利用できるさまざまなWindowsの機能で発生するイベント、たとえばExcelのActive Cellの変更など、Windows側の機能のプロパーの操作により生じる事象をAPL側で捉えることができることは非常に重要なことです。

 

これ以外に、追加された新機能で注目されるのは:

 

 a. )COPY、 )PCOPYが外部関数“COPY” “PCOPY”として追加され、APL関数実行中、AP101スタック・プロセサーを用いずに、外部のワークスペースから関数や変数を直接コピーできるようになること、

 

 b. GRAPHPAK,FILE,MATHFNS,SQL,などのワークスペースが外部関数のネーム・スペースとして提供されましたので、これらのワークスペースの機能を自分のワークスペースにコピーしないで利用できるようになったことなどです。

 

(Nov. issue of the APL News failed to report on the latest update of APL2 ( Ver2.7 released in Nov.), due to shortage of time. The update features such innovative additions as COM interface event handling, illustrated by way of DEMO_MERLIN letting Windows’ animation character called Merlin to speak, and as COPY PCOPY external functions, and as GRAPHPAK, FILE, MATHFNS, SQL workspaces as namespaces, allowing users not to copy workspaces and consume their own whorkspace resources to use these functions.)

 

2.APL2日本語画面設計システムのユーザーズ・ガイド(2005年12月版)が完成しました。2002年に発表した“DIALOG”をWindows版APL2 Ver.2の最新版にあわせて大幅な書き換えをしたものです。このシステムを利用することにより、さまざまなユーザー・インターフェース画面を利用した効率の良いAPL業務プログラムの開発が簡単にできるようになりました。その特徴は:

 

 a. DIALOGがプログラム作成者の対話しき式操作により、プログラム実行中にクラスやスタイルなど変更が簡単にはできないもの、それぞれの配置やサイズ、メニュー、イベント処理、コンテキスト・ヘルプ、ツール・ティップ、タイトルや見出しのコンスタンとデータなど変更の必要が少ないものを、より静的な一覧性のある画面設計情報として、最終的に生成するユーザーのAPL関数の末尾に一定の形式のコメント文として追加、記述すること、

 

 b. DIALOGはまた各コントロール・ボックス固有で、コメントとして汎用的な形式の記載にふさわしくないものを、生成するAPL関数の文中に静的な情報を初期化する関数“INIT”とともに、APL式として組み込み、コメント形式の画面情報と、それを処理するINITにより、ユーザーのプログラムの負荷を大幅に軽減させ、同時に、プログラム自体をにコンパクトにすること、またプログラム編集、保守の作業負荷も軽減させ、より迅速なエンド・ユーザーからの変更要求に対応することなどです。

 

このシステムの補助資料として、Windows版APL2の製品版に添付されるAPL ライブラリー2 “DEMO145”ワークスペースの41個のデモ・プログラムのうち、画面設計の目的を持つ34個のデモ・プログラムをこの方式で書き換えてコーディングの参考資料として添付しました。また画面はすべて日本語で表示してありますので、日本語での適用業務画面の設計ツールとしてふさわしいことを証明しています。

 

DIALOGで作られたAPL関数は日本語を含みますので、編集には日本語関数エディター“EDITF”を使用することが、もっとも自然で、APL2の製品に組み込まれたエディターに代わって、使用されることを推奨します。

 

 DIALOGにはまた補助的機能として、設計された画面の配置図を含む設計情報の印刷機能があり、動的な画面操作コードのプログラムおよび、保守上の有効な資料とすることができます。またDIALOG自体、この画面設計の方式でプログラムしました。

 

(APL2 Japanese GUI dialog design system, which was originally introduced in my paper presented as APL2002 in Madrid, Spain has been grossly modified and became ready for shipment, with the Japanese version of User’s guide. It no longer uses the template nor IBM’s Dialog Editor Concept. It does not use the approach adopted by the recent AP145 demo programs, either. The main purpose of maintaining this approach of ours apart from the standard approaches of IBM is to come up with more integrated, efficient, practical and easy-to use tool, in addition to supporting Japanese in natural manner.)

 

3.先月のAPL NEWSで紹介したネーム・スペースの考え方は、APLをより合理的に運用する上で、非常に有効な手段であること、身をもって実感しています。したがってAPLユーザーの方々にはネーム・スペースの積極的な利用を強くお勧めします。弊社のツール関数はすべてネーム・スペースとして提供させていただく準備ができました。また、ここの使用環境に合わせたネーム・スペースの設計、作成のお手伝いもできますのでご利用ください。

 

(All of our utility tool functions are now available as namespaces. We are ready to support customers to design and use namespace concept more actively for better user and application management.)

 

4.APL2日本語関数エディター“EDITF”が改定されました。ここではAPL特殊文字はすべて画面下部に表示されるAPL2文字バーからマウス・クリックで入力します。キー・ボードからの入力のサポートは廃止しました。日本語学習システムに添付された弊社の日本語APL2フォント・ファイル“MICHIKO.TTF”の導入が前提となることは従来と変わりません。編集操作はすべてWindowsの機能をそのまま利用し、使用法もそれに従います。これによりAPL関数内での日本語とAPL特殊文字との同時入力と表示がより自然の形で行えるようになりました。これに伴いプログラム・サイズは画面設計の部分を含めて、80行強になり。画面設計の部分を除いた、エディターの機能部分はわずか5行になりました。今後プログラムの機能の追加はこの設計に基づいて実施していきます。より高度な機能を必要とするユーザーは、従来どおりEDITが使用してください。EDITとEDITFは完全な互換性があります。

 

(APL2 Japanese function editor has been revised. All APL2 special characters are now entered by way of mouse clicks in the character bar shown at the bottom of the editor window. Keyboard is used to enter non-APL2 characters including Japanese texts. The editing is left to the functions and operations of the Windows. The revised editor is now a little more than 80 APL lines including GUI design information. Actual logic portion is now 5 lines. Future function additions will keep this design. Users requiring more sophisticated functions can continue to use EDIT,which is 100 % compatible with the new one.)

 

5.APL2学習支援システムを改定しました。使用法は変わりませんのでドキュメント類の改訂はありません。変更箇所は次のとおりです:

 

 a. IBM Run−time moduleは Ver2.7対応のものと差し替えました。

 

  b. デモ(F10起動)およびツール関数(F7起動)を最新のものに置き換え、ネーム・スペース化し、パッケージ本体と切り離しました。その結果パッケージ本体は150行のAPL関数1個とネーム・スペースに対するリンク情報のみとなりました。デモには上記1番と2番の記事にあるデモ・プログラムをすべて収めました。ツール関数には上記2番および4番の記事で紹介したDIALOG、INIT、△EDITFも収めました。

 

 c. 上記2番の記事で紹介した画面設計システムのユーザーズ・ガイドをPDFファイルとしてダウンロード・モジュールに追加しました。

 

(“APL2 Learning Assistance System” has been revised to reflect the latest features of AOL2 Ver.2. for free downloading from this web-site (http//aplcons.com). It has adopted a new design of an APL2 run-time package utilizing namespaces for tools and demo programs. All of the demo programs and new tools as well as user’s guides (presently only in Japanese) are included in the package. This package allows you to try-out most of the features of IBM APL2 Interpreter and peripherals free. See Download section of this site.)